Targeting rather than discretion (補足)
先日の"Targeting rather than discretion"について「理論的な基礎は何か」というご質問をいただいたので、少しだけ補足をさせていただきます(しかし、矢野のようなダメダメ三流研究者に聞くのは間違っていると思いますが・・・*1)。
「理論的基礎」といっても動学マクロ経済学ではよく知られた話だと思うので、教科書の該当箇所を列挙しますので、それをご参照ください。
少し前の教科書(2003年刊)だとWalsh, (2003), Monetary Theory and Policy, MIT PressのChapter 11, "Policy Analysis in New Keynesian Models"が「裁量的政策か、ルールによる政策か」についてそれぞれの比較をもとに議論されています。矢野の知識ははっきり言ってこの章で学んだことから一歩も出ていません。
Monetary Theory and Policy, 2nd Edition
- 作者: Carl E. Walsh
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2003/05/01
- メディア: ハードカバー
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最近の教科書だとGali, (2008), Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle: An Introduction to the New Keynesian Framework, Princeton Univ. Press のChapter 7, "Monetary Policy and the Open Economy"がまさにこのテーマを扱っています(下の記述では2008年3月31日刊となっていますが、すでに入手可能になっているようです)。
Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle: An Introduction to the New Keynesian Framework
- 作者: Jordi Gali
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2008/02/11
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矢野が読んだのはGaliのHome Pageにあった草稿版PDFの方です(韓流リフさんが紹介していた。現在はありません)。読んでみて、今までは「Monetary policyに関する初心者向けの教科書」としてはWalsh (2003)が一番いいと思っていたのですが、今後はGali (2008)に置き換わっていくのではないかという印象を受けました。これからこの分野を勉強されるという方はWalsh (2003)だけではなくGali (2008)も検討されるといいかもしれません。