"a plan," revealed

1年ほど前に「"a plan"」というエントリーを書きました。

まあ、皆さん誰も覚えてないと思いますが_| ̄|○

先日2月3日に"Dynamic Stochastic General Equilibrium Models Under a Liquidity Trap and Self-organizing State Space Modeling"を公開したことでやっと"a plan"の全貌を皆さんにお話しできるようになりました。

矢野は6年前に全部で4つの論文を計画しました。当初の計画では4つの論文全部を書くのに3年しかかからないはず*1だったのですが、6年かかってやっと第4論文まで到達しました。

  • 第1論文非線形ガウス非定常状態空間モデルのパラメーター推定と状態推定が自在にできるようになりました
  • 第2論文:(ある特殊で厳しい仮定の下で)非線形ガウス非定常状態空間モデルの状態平滑化が比較的簡単にできるようになりました
  • 第3論文:(上記の2論文を基礎として)マクロ経済学で用いられてきた構造ベクトル自己回帰モデルを改良し、「時々刻々変化するマクロ経済」に適用可能な「時変係数構造ベクトル自己回帰モデル」が推定できるようになりました
  • 第4論文:(上記の3論文を基礎として)流動性の罠の下でのDynamic Stochastic General Equilibriumモデルのパラメーター推定が可能になりました*2

これでやっと「流動性の罠」(正しくは短期名目金利の非負制約)の下での経済について論じる「必要最低限の道具」が揃ったことになります。あくまでも「必要最低限」でしかないのですが・・・

現在、ここ6年間の情勢の変化を踏まえて"a plan"の見直しを行っています。皆さんもよくご存じのように6年前には想像もつかなかったことが世界で今まさに起こっているので、"a plan"は大幅に拡張する必要があるのではないかと思っています・・・

*1:元々は博士課程後期の3年で全部終了するつもり[意気込みだけは]だった。実際には博士号取得に4年かかり、その間に終了しなかったため、卒業後も"a plan"を継続してきました。

*2:ただし、これは6年前の計画です。その後、"a plan"の変更を行って第3論文と第4論文は第2論文には依存していないので、当初の計画と比べると第2論文の重要性はかなり低くなっています。