世界大不況からの脱出:ブレないクルーグマン

クルーグマン教授の近著「世界大不況からの脱出」(1999年に出版された「世界大不況への警告」の改訂版)を買いました。

世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか

世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか

内容が素晴らしいのは言うまでもありませんが、ちょっと面白かったのは訳者の三上義一さんが「訳者あとがき」にわざわざこう書いてくれている点です。

クルーグマン)教授は「流動性の罠」に落ちた日本経済の特効薬として「調整インフレ論」(矢野注:インフレターゲット政策のこと)を展開してきた。(中略)この改訂版においても教授はベビーシッター協同組合のたとえ話を用いて再度、「調整インフレ」の必要性を述べていてその主張を曲げていない。

最近、「クルーグマンは自らが提唱していたインフレターゲット政策の間違いを認め、撤回した」などという明白な間違いを流布している方たちがいるので、それに配慮して書いてくださったのかな、などと思ってしまいました。

現在の「世界同時不況」について考えたい多くの方たちにお勧めします。

三上義一Web Site
http://homepage3.nifty.com/ymikami/