The Road to Justice is Twisted.
容疑者は殴る蹴る、コカインはちょろまかす、ギャングの現金輸送車を襲って現金を強奪する。でも、女や子供には優しくて、罪なき者が被害者になった事件では怒り狂って犯人をどこまでも追い詰める。
不思議な魅力に満ちた「正義の」悪徳警官ヴィック・マッキーの活躍を描く"The Shield"シーズン5が早くも終盤に差し掛かっています。
シーズン5は第1話から「警察の予算削減のために15年以上勤務した警官には早期退職を勧告」するという本部長の方針のために、ヴィックが早期退職を勧告されてしまう波乱の幕開けでした。「この15年間、家庭が崩壊するのも構わずに警察のために働いてきたのに」とうなだれるヴィックの背中がなんだか切ない第1話でした。
しかし、今シーズンでそれ以上に印象的なのは2007年のアカデミー賞主演男優賞を受賞したばかりのホレスト・ウィティカー演じる内部調査官ジョン・キャバナー警部補です。
シーズン4に登場したグレン・クローズ演じるモニカ・ローリング署長も迫力十分だったのですが、その降板を補って余りある迫力をキャバナーが放っています。
考えてみれば、内部調査官キャバナーは署内の腐敗を一掃しようとしたローリング署長の置き土産なのですが、シーズン4でまっすぐな正義を体現したローリングとは対照的で、キャバナーは「正義」「正義」と連呼する割にはまったく正義の味方には見えません。
"The Road to Justice is Twisted"(正義にいたる道はねじれている)というのは"The Shield"のシーズン1でのキャッチコピーで、この一文がこのドラマのテーマを集約していると言っても過言ではないと僕は思っています。
シーズン5は、悪徳警官だが、「正義の」警官としても有能な側面を持ち、ファーミントンの治安を守ってきたヴィック・マッキーと、「正義」「正義」と連呼するにも関わらず、ちっとも正義に見えない「怪しい」ジョン・キャヴァナーという二人の登場人物の対決を通して、「正義にいたるねじれ曲がった道」を描いています。
ザ・シールド〜ルール無用の警察バッジ〜(AXN)
http://axn.co.jp/shield/
「正義にいたるねじれ曲がった道」はどこに行き着くのか?"The Shield"ファンの皆さん、一緒に目撃しましょう。
"The Road to Justice is Twisted."