行動経済学を巡って(縮小版)

弾さんからのご要望にお応えして「行動経済学」(友野典男・光文社新書)についての感想を述べようと思ったのですが、長くなってしまったので、とりあえず短いエントリを書いておきます。

[お断り]
矢野は行動経済学を非常に重要な分野であり、今後もさらに発展していくと思っています。

[ノーベル賞のお墨付き?]
「行動ファイナンス」(友野典男・光文社新書)(ASIN:4334033547)の「はじめに」に以下のような記述があります。

2002年10月、(中略)ノーベル経済学賞の記事が新聞の片隅に載った。受賞者は米国人二人で、そのうち一人がプリンストン大学ダニエル・カーネマン教授であった。カーネマンは(中略)行動経済学の最大の立役者である。

これだけ読むと「ノーベル経済学賞行動経済学を推奨し、新古典派経済学*1を否定している」ように感じるかもしれません。

しかし、2004年にKydlandとPrescottというバリバリの新古典派経済学者がノーベル賞を受賞しています。ノーベル経済学賞行動経済学に特に肩入れしているわけではありません。

矢野は「現代経済学には新古典派のような考え方も行動経済学のような考え方も両方必要だ」と考えています。

経済モデルに採用する考え方として新古典派に近い方が望ましいのか、それとも行動経済学に近い方が望ましいのか、それとも他の考え方が望ましいかは説明すべき経済現象によって変わってくると思います。

以上、縮小版でした*2(長い文章は後日)。

[参考]過去のノーベル経済学賞受賞者
http://nobelprize.org/economics/laureates/index.html

*1:行動経済学者は多くの場合、新古典派経済学者と対立している

*2:これのどこが縮小版だって気もしますが、それでも努力してかなり短くしたんです_| ̄|○