ローレライ(2)〜バカな大人が起こした戦争で〜

ローレライ」が今年、期待の映画だというのは本当なのだが、実は個人的には「日本映画にアタリなし」という経験則が存在する。などというと怒られるかもしれないけれども。すくなくとも「ほとんどアタリなし」だというのは僕の実感なのである。

それともう一つ個人的な話をすると、僕は自由主義者なので、言論の自由がとても大切だと思う。そのため言論の自由が制限されるような国や時代はあまり好きになれない。第2次大戦直前の日本は非常に言論が制限された時代なので、正直に言ってあまり好きにはなれない(あくまでも直前の話。それより以前には自由民権運動大正デモクラシーなど日本にはすばらしい歴史があると思う)。自分の国のあまり好きになれない時代を積極的に見ようという気にはならないのである。

そんな理由で、実際、「ローレライ」を見るかどうか大いに迷っていた。しかし、「ローレライ」の宣伝Webを見ていて、少し気が変わった。

「バカな大人が起こした戦争で、これ以上子供が傷つくことはないというメッセージを伝えたい」(絹見艦長役/役所広司
http://kodansha.jp/webgendai/lorelei/
カッコいいね、役所広司

あの時代はあの時代だけど、もう60年経ったし、そろそろエンターテインメントとして「ローレライ」を観てもいいんじゃないか(どうせすでに海外の潜水艦映画はエンターテインメントとして見ているんだし)などと、僕は勝手な理屈をつけることに決めた。

「潜水艦映画にハズレなし」の法則が勝つか、「日本映画にアタリなし」の法則が勝つか、どっちに転んでも「ローレライ」は今年、期待の映画なのである。

ローレライ公式サイト:
http://www.507.jp/index.html