1. 金融政策は均衡実質金利(自然利子率)を操作することはできない
なぜならば、均衡実質金利(自然利子率)はdeep parameterによって決まっているから
2. 市場が完全である場合、金融政策は期待実質金利を操作することはできない
なぜならば、価格が柔軟に変化し、期待実質金利が均衡実質金利(自然利子率)に瞬時に収束するから
3. 価格粘着性等の市場の不完全性がある場合、金融政策は期待実質金利に影響を及ぼすことができる
なぜならば、価格が粘着性を持つ(価格が柔軟に変化しない)ために、金融政策ショックにより一時的に期待実質金利と均衡実質金利(自然利子率)にズレが生じるから(Gali (2002)のFigure 3を参照のこと。金融政策ショックにより期待実質金利が一時的に均衡実質金利(自然利子率)から乖離することを示している。)
4. 価格粘着性等の市場の不完全性がある場合、金融政策はインフレ率に影響を及ぼすことができる
なぜならば価格粘着性等の市場の不完全性がある場合、金融政策は期待実質金利に影響を及ぼすことができるから
[参考文献] Gali, (2002), "New Perspectives on Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle," NBER Working Paper, No. 8767.
http://www.nber.org/papers/w8767