(覚書)Kamada (2005), わが国の潜在産出量と需給ギャップ

しょうがないので、ちょっと頑張る。

応用経済時系列研究会で学んだことの覚書。産出ギャップ*1の算出方法は数え切れないほどあって正直に言って分からないことだらけだったが、鎌田さんの講演でかなり整理された。日銀で言及されることも多い「標準型」産出ギャップについては以前から興味があったが、考案者であるだけに分かりやすい説明だった。

標準型の場合、ポイントは非製造業の稼働率を電力消費を用いて推計する点のようだ(それ以外は基本的に生産関数アプローチと同じ)。

講演とほぼ同じ内容は以下で読むことができる
http://www.boj.or.jp/ronbun/03/data/ron0301a.pdf

矢野がよく使う時系列解析ベース(たとえば、統計数理研究所で開発された季節調整法DECOMPでトレンドを推計し、トレンドからの乖離率を産出ギャップと考える)の産出ギャップ推計は速報値と確報値では推定にズレが大きいというのはまったくのその通りだと思う。しかし、手軽なので・・・
Web DECOMP:
http://ssnt.ism.ac.jp/inets2/JapaneseVersion/title.html

鎌田さんの最近の論文:
Kamada, "Real-Time Estimation of the Output Gap in Japan and its Usefulness for Inflation Forecasting and Policymaking," North American Journal of Economics and Finance, forthcoming.
Working paper版が以下から入手可能。
http://www.bundesbank.de/download/volkswirtschaft/dkp/2004/200414dkp.pdf

*1:=GDPギャップ=需給ギャップ