救命病棟24時(ドラマ)放送終了 (2)

個人的感想を述べるならば、「よく調査してドラマを作ってある」につきる。過去の災害と今後起こるであろう災害の予測を基にドラマを作ったのだと思うが、特に被災した人たちの様子や人々がたどる経過は僕自身の経験や見聞きした事例からドラマで描かれたことはほぼ正しいと思う(現実はもっと深刻だが、そこはあくまでもドラマなので)。

震災直後は救助の人手が足りず救われるべき人命が救われなかった話、最初の支援物資が届くまで長い時間がかかる話、地震泥棒や暴力沙汰など治安の悪化、避難所ごとに行政の対応にむらがある話、ボランティアの中には被災地見学に来たと思しき馬鹿どもがいる話(ボランティアの中には「俺達は助けに来てやってんだ」と言わんばかりの傲慢な馬鹿野郎もいるのだ!)、燃え尽き症候群PTSD心的外傷後ストレス障害)、被災者の生活再建に国がいかに冷たいか、政治家や政府・行政がいかに現場を理解していないか等々、挙げていけばキリがない。

しかし、新潟中越地震福岡県西方沖地震の状況を見ていると、自衛隊の対応が迅速になったことや、インターネット普及で現地の情報がダイレクトに得られるようになったこと、政府・行政の対応も・・・まあ10年前よりはよくなったんじゃないか(10年前は村山首相をはじめ閣僚が震災の様子を呆然とテレビで見ていた[それも震災の当日だ!]と後に新聞や雑誌で報道された)。被災者の生活再建に国が冷たい点などはまだ改善されていない。

書き出すとキリがないのだが、それでも今回のドラマは限られた時間のなかでいろいろな問題を盛り込んでいて(特に「店主が地震の時に店に略奪に来た人間に暴行された」などという話はあまりマスコミで扱われていない話題だが、ちゃんとドラマに入っていたのにはビックリした)、日本のドラマとしては出色の出来だったと思う。

役者、スタッフの皆さん、ご苦労様でした。そして、本当にありがとう。

(以前のエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20050323#p1
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20050321#p1