内閣府経済社会総合研究所には毎年6月頃に、Anil Kashyap教授(シカゴ大学)とDavid Weinstein教授(コロンビア大学)を中心とする研究使節団をお迎えして国際カンファレンスを開催しています(一般の方には非公開で申し訳ありません)。
今年6月29日に開催されたその国際カンファレンスのページをご紹介するのを忘れていました。
ESRI国際コンファレンス:「深刻化する経済危機と増大するマクロ経済政策の重要性」
http://www.esri.go.jp/jp/workshop/090629/090629gijisidai.html
開催日時や参加者リストの情報はこちら
この国際カンファレンスでは矢野も「流動性の罠と日本の失われた10年−DSGEモデルによるアプローチ」と題して発表をさせていただきましたので、ご笑覧いただければ幸いです(そのセッションは議長がAnil Kashyap先生で、矢野のコメンテーターはPaolo Pesenti先生(DSGE研究の超大物)にしていただきました)。
矢野の他に二名が経済社会総合研究所から研究発表を行い、アメリカからはスタンフォード大学のKen Singleton教授が発表をされました。
[会議の裏話〜リーマンショック後のDSGE研究はどうあるべきか〜]
矢野の発表ともう一名の発表がDSGE論文だったため、この会議では「リーマンショック後のDSGE研究はどうあるべきか」が非常に重要な話題でした。「資産価格を取り入れたフィナンシャルアクセラレーターモデルの研究をより活発にすべき」というご意見あり、「いや、むしろかつてのケインジアンに戻るべき」とのご意見ありで、非常に勉強になりました*1。
この時の様々な議論を参考に矢野はまた新しい論文を書いていますので、時期が来たらまた皆さんにお見せできると思います。
*1:昨年と同じであればいずれ会議の詳細な記録が出ると思うので、この時の議論はその際に詳しくご紹介したいと思います。