FRB、インフレターゲット採用へ一歩前進

ロイターは非常に素晴らしい記事を掲載することが多いですね。

FRB、より長期的な経済見通し公表へ=バーナンキ議長
[ワシントン 18日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、従来よりも長期間の経済見通しを示す方針を明らかにした。FRBインフレ目標設定に近づいていることを示す形となった。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36559120090218

今回のバーナンキ議長の声明の背景については以下のロイターの記事が非常に分かりやすいです(上記のバーナンキ先生の声明が出る前(昨日)に書かれた記事です)

FOMC議事録、緩やかなインフレ目標を議論か
(前略)
インフレ目標の導入論者として知られるバーナンキ議長が就任したのは2006年。インフレ期待を安定させる政策については、就任当時よりも支持が高まっているとみられる。
 ただ正式なインフレ目標の導入には議会の承認が必要なため、「緩やかな」インフレ目標という、より現実的なアプローチで、インフレ期待の安定を図るのではないか、との見方が出ている。
(中略)
 インフレ目標をめぐる議論は、しばらく鳴りを潜めていたが、昨年12月のFOMC議事録公表をきっかけに再び注目を集めている。
 同議事録は「(望ましいインフレ率を)より明確にすることにより、インフレ率が望ましい水準を下回るリスクを未然に防ぐ助けになる可能性がある」と指摘。
(中略)
 サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は6日、具体的なインフレ目標を設定するまでには至らないとしても、より明示的なインフレ目標を示すことは、FRBにとって「価値」があるだろうとの発言。
 インフレ目標に懐疑的だったモスコウ前シカゴ地区連銀総裁の後任のエバンズ同連銀総裁も、インフレ目標を支持している。
 同総裁は11日、「短期的なインフレ率が通常の水準を下回る可能性が高い時期には、インフレ率の明示的な数値目標を掲げることで、インフレ期待の大幅な低下を回避できる可能性がある」と述べた。
 セントルイス地区連銀のブラード総裁は5日、デフレに対する強い懸念を表明した。
 同総裁は「世界的なデフレの脅威がある。すべての中銀がゼロ金利に向かう可能性もある。短期的な目標はデフレを回避することだ」と述べた。
(中略)
 サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は1月、FRB当局者の大半はインフレ率が1%を下回ることを「容認できない」と考えるだろうと発言。「それが望ましくないこと、歓迎できないこと、われわれがそれと戦っていくことを明確にする必要がある」と述べた。
(後略)
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPnTK837855320090218

イエレン先生、力強い。

まあ、皆さんご存じだとは思いますが、イエレン総裁とはジャネット・イエレン先生アメリカを代表する経済学者の一人)、エバンス総裁はChristiano, Eichenbaum, and Evans, (2005), JPEのエバンス先生ですね。フィラデルフィア連銀の総裁はプロッサー先生だし、CEA委員長はクリスティーナ・ローマー先生だし、アメリカはいいよなぁ・・・

イエレン先生、日本じゃ「インフレターゲット」って言っただけで気違い扱いされるんですよ・・・それどころか「金融政策は無効だ」とか「財政政策は無効だ」とか・・・あの連中は我が国を滅ぼすつもりでしょうか・・・