今年の3冊+2ドラマ

さて、年末になりますと「今年のビジネス書ランキング10」なんて特集が組まれることが多いわけですが・・・残念ながらあまり読書家ではないので、そんなに多くの本を取り上げることはできません。まあ、論文は毎日大量に読むのですが、それをblogで取り上げるとまた読者激減になりかねないので、一応(比較的)普通の本を取り上げたいと思います。

まず、今年の1月1日のエントリーに登場した加藤涼「現代マクロ経済学講義」です*1。今年、時変係数構造ベクトル自己回帰モデルの発表をいろいろなところでさせていただいた時に必ず話題になったのが「動学的確率的一般均衡モデル(Dynamic Stochastic General Equilibrium Models, DSGE)」です。DSGEでは理論と共に「パラメーターを決めてシミュレーションする」という作業が重要なのですが、その面に配慮して書かれたDSGE入門はあまりありませんでした。加藤氏のこの本で少しそのギャップが埋められたのかな、と思います。実際、発表の際に話をした院生さん達のほとんどがこの本を持っていると言っていました。

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門

次はCanova, Methods for Applied Macroeconomic Researchです。マクロ経済学を専攻する学生さんで、かなり数学に強い人にはお勧めです(数学に弱い人は1ページも読めません)。現在主流となりつつあるベイズ統計学を用いたマクロ計量経済分析の良い入門にもなっていると思います。個人的には今年のベスト1です。

Methods for Applied Macroeconomic Research

Methods for Applied Macroeconomic Research

これだけだと石を投げられそうなので・・・・もう少し一般的なものを・・・。ディーヴァー「ウォッチメイカー」です。デンゼル・ワシントンアンジェリーナ・ジョリー主演の映画「ボーンコレクター」という作品があるのですが、その原作シリーズの第7作目です。事故で全身麻痺に陥ってしまった科学捜査官リンカーン・ライムと新米女性警官アメリア・サックスが科学捜査を用いて難事件に挑むというミステリーなのですが、面白いです。第7作まで進みリンカーンアメリアの関係も進展し、馴染みの登場人物に新しい人物の登場など相変わらず面白いです。読んだことがない人はまず第1作目の「ボーンコレクター」と第2作目の「コフィンダンサー」を読んでみることをお勧めします。面白さは巻毎に若干のバラツキはありますが、それでもある程度の水準を常にキープしているのがすごいです。

ウォッチメイカー

ウォッチメイカー

今年、日本のドラマで印象に残ったのは「ライアーゲーム」だけでした。戸田恵梨香さん本人も「続編に出たい」と言っているらしいので、続編よろしくお願いします。その時にはエリーとキノコも忘れずに登場をお願いします。

ライアーゲーム DVD BOX

ライアーゲーム DVD BOX

アメリカドラマではやはり「ザ・シールド」です。残念ながらDVDではシーズン2までしか発売されていないようですが、現在AXNでシーズン6を放送中です。「悪徳警官が主人公」というちょっと常識では考えられないストーリーが進行中ですが、これと「プリズンブレイク」の二つが「現在、世界で最も面白いテレビドラマ」だと思います(人によって意見は違うと思いますが・・・)。

*1:まあ、実際には発刊されたのは2006年12月なのですが、本当に年末に発売されたので、2007年刊扱いとさせてください。