今年のノーベル経済学賞は?

せっかく田中さんからご指名をいただいたので、ちょっと出遅れましたが、今年のノーベル経済学賞を予測してみます:

赤池弘次
[受賞理由] 赤池情報量規準の提唱により多変量解析、時系列分析など経済学で用いられる統計手法に多大な影響を与えたため
http://www.ism.ac.jp/history/Japanese/HTMLs/Outlines/Chiefes/08th.html

まあ、赤池先生の業績は経済学に限らず統計学全般に及ぶわけですが、まあ計量経済学に与えた影響は小さくない(現在では多くの計量経済学者がAICやSICを使っていますから)と思うので、ちょっと希望的観測をこめて名前を挙げさせていただきます。

マクロ経済学でいうとローマー(もちろん息子の方)はいつもらってもおかしくないような気がします。

マクロ経済学における現代的な経済成長論は「制約条件下における効用関数の最大化」として定式化されています。それは工学では古くから最適化問題という名前で知られています。

通常の最適化問題においては解は均衡点にあるのですが、ローマーはちょっとしたトリックを使って(←これがすばらしい)解が均衡点に収束しないで経済が成長し続ける場合がありうることを示しています。

彼の業績は経済学としてだけではなく数理モデルとしても非常に面白いものだと思います。