The Kalman filterしか知らないヘタレ時系列解析屋=僕

かつて本当にあった会話:
某氏「矢野さんって時系列解析のほとんどの問題をカルマンフィルター(the Kalman filter)で解くんですね」(←なんでそん非効率なことすんの?という口調で)
矢野「・・・頭が悪いので、技法が一つしか覚えられないんです」(←余計なお世話だとちょっと思いつつ)

ちょっと真面目な話をすると時系列解析の問題の多くはカルマンフィルターという方法で解くことができる。実際にそういう観点から書かれた時系列解析の教科書もある(Durbin-Watson検定という検定方法で有名な統計学者Durbin[高齢ですが、まだご存命]が書いた教科書[下に示す])。少し苦労して(かなり苦労して?)一つの技法を学べば、応用範囲が広いという意味では合理的である。

ただし、「理解しやすいか」と「推計する手間を考えると効率的か」は僕に聞かないで(理解しやすくも効率的でもないから)。

カルマンフィルター:
http://www.cs.unc.edu/~welch/media/pdf/kalman_intro.pdf
(英語:日本語では適当な解説が見つからなかった)

「状態空間モデリングによる時系列分析入門」Durbin and Koopman(著):
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4916092457/
(原書の方は持っているが、翻訳の方は持っていない。和合先生が訳者に入っているのでちゃんとした翻訳だと思う。どうでもいい話だが、原書の方はDurbin先生のサイン入り。Durbin先生の来日時に講演会の後でサインしてもらった)

以上、非常に知識の偏った時系列解析屋の豆知識でした(しかし、なんとまあ、一般には役に立たない豆知識だ・・・)。