歳を取るのもそれほど悪くはない

かつてまだ少年であった頃(ずいぶん昔だ)、「永遠に少年でいたい」などと思ったこともあった。そして、その当時は歳をとってしまうことがとても怖くもあったものだ。しかし、30歳半ばになった今では「歳を取るのもそれほど悪くはない」と思うことがある。

なぜこのようなことを書くかというと、実物大の「スコープドッグ」を作っている「なんでも作るよ。」のKogoro氏が面白いことを書いているからである。
http://monkeyfarm.cocolog-nifty.com/nandemo/2005/03/post_2.html

Kogoro氏の展覧会のためにあつまったボランティアの「おっさん」たちは皆、様々な能力の持ち主であるという。しかし、これはある程度当たり前の話だと思う。というのは、おっさんは若者よりも長く生きているので、長く生きている分だけ技能も経験も豊富なのは当然だ。

たとえば能力の低い僕でさえも去年は統計解析環境Rの入門書を共著(第5章担当)で出したし(以前、話に出たpon98さんと書いた本というのがこれ)、論文も出た。しかし、僕がすごい人間なのかというと全然違う(ぶっちゃけて言うとこの二つは僕がやった部分はどっちも大した話じゃない[他の方が書かれた章や論文は大変にすばらしい])。これらは「ここまである程度地道にコツコツやりました」ということでしかない。つまり歳を取ったということだ。

それと歳を取って良かったと思うことの一つに「少し他人に優しくなった」ことがあげられる(あくまでも「当者比」でしかないけどね)。10年前は自分のことに精一杯であまり他人にまで優しさを向ける余裕がなかったが、昔よりも少しだけ能力が増えた分、ほんの少しだけだがその余裕が出てきたのかもしれない。

ただ、こういった思いは30歳半ばになった自己弁護もあるのかもしれない。とはいえ、思っていた程は歳を取るのも悪くないようだ。

ところでKogoroさんのチームはうらやましい!というか僕も入れてほしい(そう思うのは僕だけじゃないはず)。え?統計学徒は不要ですかそうですか(確かに入れてもらっても役に立たないだろうな)。

(補足)BUNTENさんからコメントをいただき、上で「当社比」となっていた部分を「当者比」に直しました。