ロボットが街にやってくる

統計学のシンポジウムでポスターセッションをした話は昨日書いた。その時に合間を見つけて他の人のポスターも見て回った。こういったポスターセッションというものは若手研究者の「最近、こんな研究をやっています」という報告であることが多いので、要は「世界の最先端の研究を知るよい機会」でもあるのだ。

その中で一つ面白い研究を見つけた(残念ながら差しさわりがあるといけないので詳細は書けないのだが)。

それは自律で動く人型ロボットの手をいかにに制御するかという研究のポスターだった。ある種の統計的学習(そういう分野がある)を使った研究で、それ自体はあまり新しくないのだが、ちょっとしたアイディア(←これがとても重要!)を加えてロボットの手の動きを高速化するというものである(実は自律で動く人型ロボットの手の制御はとても難しい分野で今でも多くの場合の人型ロボットの手はゆっくりとしか動かせない)。

その研究者のアイディアを聞いた瞬間に「お、これはいける!」とピンときた。実際に従来の方法に比べてかなりの高速化が実現できているようだ。アイディアを聞いてこういう風に直感的に「これはいける!」と感じられる瞬間というのは研究者としてとても楽しいものだ(たとえそれが他人のアイディアだったとしても)。

最後に雑談で「早く鉄腕アトムの世界を実現してください」と言ったところ、「そうなるために研究してますから」という返事が返ってきた。

今日明日の話ではないにせよ、いずれあなたの街にもロボットがやってくる。たぶんmade in Japanだ。